睡眠中に頭痛が起こるんです、悪い頭痛ですか?

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睡眠中や起床時に発生する頭痛の種類

A.

頭痛で目が覚めるような頭痛はいくつかあります。

①睡眠時頭痛

50歳以上で発生し、3ヶ月以上にわたり月10日以上、睡眠時のみに発生し、覚醒後 15 分以上(~180分)持続する軽度~中等度の両側性の鈍痛をきたします。原因は不明で、前頭~側頭部または全体の痛みで、発作頻度は1~2回/日、睡眠後 3 時間の午前1~3 時に出現します。

治療: 就寝前の一杯のコーヒー(カフェイン)が有効なことがあります。

注:片頭痛などの睡眠関連頭痛(睡眠と関連する頭痛)を除きます。

②睡眠関連頭痛[睡眠と関連する頭痛]

睡眠中あるいは睡眠から目覚めた時に起こる頭痛を、「睡眠関連頭痛」と言います。頭痛外来の17%が夜間あるいは早朝に頭痛という、報告もあります。

原因: 不眠や過眠、むずむず脚症候群、脳腫瘍、副鼻腔炎、アルコール、低血糖(子供にもある)が頭痛の原因のこともあります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠時無呼吸症候群の患者の24%が、早朝頭痛頭を自覚すると言う報告もあります。頭痛は鈍痛で、倦怠感や寝不足感を伴うことが多いです。睡眠時の慢性的な酸素欠乏状態欠状態や高炭酸ガス血症が原因で脳そのものが腫れたり、脳の血管が広がりすぎるためと考えられています。

治療: CPAP、マウスピース、抱き枕

④脳腫瘍

腫瘍の患者さんの50%に頭痛が見られると言う報告もある、 Forsyth PA, et al. Neurology. 1993によると、 77%が緊張型頭痛、9%が偏頭痛様の痛みを呈していた。頭痛が起こる機序としては増大した腫瘍で脳圧が高まり、血管や神経圧迫したり、脳脊髄液の流れを遮断することによると考えられている。

古典的な脳腫瘍に伴う頭痛の特徴: 起床時にみられ、緊張、咳、叫ぶ、前屈であっかし、立ち上がると改善する、鎮痛剤が効きにくい。

高血圧

高血圧の方に頭痛が起こりやすい原因はよくわかっていません。血圧が上昇し脳内の血管が急激に広がり、神経が刺激されることが原因とする説が有力です。

片頭痛

片頭痛の半数に睡眠時あるいは起床時の頭痛があります。片頭痛の誘因として、寝不足や寝過ぎがあります。睡眠不足からくる頭痛は、脳にストレスが溜まってしまうことからおこると考えられています。また寝すぎによる頭痛の原因は、体を動かさないことで血行が悪くなり大量のセロトニンが分泌され、血管が拡張することから起こると思われます。

■セロトニン

セロトニンは太い血管を収縮させ、細い血管を拡張させます。セロトニンが減ると片頭痛が起こり、片頭痛の患者さんにセロトニンを投与すると片頭痛がなおる事から、開発された片頭痛の特効薬であるトリプタン製剤は、セロトニン受容体に直接作用し、片頭痛の原因となる血管の拡張と炎症を抑えます。

■トリプトファン

トリプトファンを多く含む食品は頭痛予防効果があります。トリプトファンとは、必須アミノ酸(食事から取る)の一種で、体内に摂取され、脳に届くとセロトニンとなります。食品中のタンパク質が多いほど多く含まれます。

セロトニンを多く含む食品: 肉、魚、豆、ナッツ、バナナ、ドリアン、マンゴー、牛乳、豆乳、ヨーグルト、チーズ、鶏卵、ゴマなど

注意: 昼寝は頭痛の原因になりますが、若い(思春期)方で頭痛が楽になる場合があります。

福岡の頭痛外来と言えば大濠パーククリニックです。