頭痛回数を減らす予防薬 大濠パーククリック
以下の状態の方は、予防薬を3ヶ月程度使うことで頭痛の回数を減らすことができます。
①月に2回以上の片頭痛
②前兆のある片頭痛(頭痛の回数が少なくても)
前兆がない片頭痛に比べ、後頭葉の易興奮性が相当高いため、まずトリプタン製剤が効きにくい例が多く、まず予防薬で興奮性を減弱させ、前兆を消し去ると、トリプタン製剤が良く効くようになる。
前兆がない状態から前兆がある状態に移行すると考えられている。
③過敏性を伴う片頭痛(頭鳴症状、めまい、不眠など)
光過敏は後頭葉、音過敏は側頭葉、匂い過敏は前頭葉が過敏状態である。興奮状態が後頭葉から側頭葉や前頭葉まで波及するくらい強い興奮が起こっていると考え、予防薬で鎮めるべきである。
④起床時の頭痛
睡眠時にも脳過敏状態が続いて、片頭痛が重症化した兆候。
1.抗てんかん薬 第一選択です。
通常、細胞内はマイナスの電荷を帯びています。ここに神経興奮のシグナルが来ると、Na+が細胞内へ流入し、細胞内はプラスの電荷へと転換します(脱分極)。一方、抑制性のシグナルのCl-の流入によってなかなか脱分極が起こらず、神経興奮が起こりにくくなります。頭痛がおきにくくなります。
また、片頭痛の前兆である閃輝暗点を脳細胞の安定化をはかる作用で減少させます。
2.アミトリプチリン
緊張型頭痛や薬物乱用頭痛にも有効です。
5-HT2受容体遮断作用と、ノルアドレナリンとセロトニンの取りこみを阻害します。
3.β遮断薬 欧米でまず最初に使われます。
β‐アドレナリン受容体を遮断して、血管拡張を阻害したり、セロトニン放出抑制することで効果を発すると考えられています。
4.Ca拮抗薬 他剤に比べ効果は弱いです。
血管の平滑筋にあるカルシウムチャネルの機能を拮抗(阻害)し、血管収縮抑制したり、5-HT2受容体遮断作用によりセロトニンの異常放出を抑制します。
5.選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
セロトニンの再取り込みを選択的に阻害します。
6.抗セロトニン薬 小児に使うことが多いです。
セロトニン(5-HT2)受容体を阻害し、セロトニン放出を抑え、血管の拡張を抑えます。
7.アンギオテンシン変換酵素( ACE )阻害薬,アンギオテンシンⅡ受容体遮断薬( ARB )
脳血管に生じるNO(一酸化窒素)の合成阻害作用が考えられる。
8.ロイコトリエン受容体阻害薬
9.選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
外国の論文では Topiramate (5omg) >Propranolol(80mg) Topiramate (5omg) >Valproate(400mg) 2倍強い などトピナの優位が目立っています。
quoted from Mayo Clinic(http://www.mayoclinicproceedings.org/article/S0025-6196(11)63277-1/fulltext?refuid=S0025-6196(11)65072-6&refissn=0025-6196)
日本では頭痛の頻度を減らす治療として予防薬のanticonvulsant,amitriptyline,propranololなどが使われています。 大濠パーククリニックでは海外での最新の情報をもとに頭痛治療を行っています。
英国では、propranololかamitriptyline無効ならAnticonvulsants が使用されています。 A)First line preventative treatments 1)Beta-blockers such as propranolol, since the 1970s. Propranolol is the most commonly used medication in the preventative treatment of migraine; it should be started at 20-30 mg daily (in divided doses) and increased steadily to as high as 240 mg daily. 2)Tricyclics Tricyclic antidepressants were developed in the 1960s, but first entered use in migraine over the next two decades. Medications such as amitriptyline are now as commonly used for headaches and neuropathic pain as for depression; the doses used in migraine are generally much lower than those regarded as effective for depression. Amitriptiline may be started at 10-25 mg daily, and steadily increased to 70-100 mg daily. Some patients with chronic daily headache may only respond to doses as high as 150-200 mg daily. B)Second-line (specialist) preventative treatments Anticonvulsants Several drugs originally developed to treat epilepsy have been found to be useful in the preventative treatment of migraine. Not all anticonvulsants have this dual role, however. High quality evidence exists for sodium valproate and topiramate (Topamax); other anticonvulsants which are probably helpful include gabapentin (Neurontin) and pregabalin (Lyrica); 一方、米国ではMAYO CLINIC(図)の例では まずpropranolol無効時amitriptylineかCa channel blockers(verapamil)それでも無効ならanticonvulsantとなっています。
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