梅毒が増加
コロンブスがアメリカからヨーロッパに持ち込んだというのが通説。イスパニオラ島(ハイチ島)からもち帰り、1493年スペインで流行。1495年、イタリアで大流行し、世界中に広がったら。日本には1512年、日明貿易や和冦経由で梅毒が伝来。「唐瘡」や「琉球瘡」などと呼ばれた。江戸時代に爆発的に広がり、第二次大戦前後には年間10万人になったが、大戦後ペニシリンの普及で急速に減少し、1990 年代には年間 500 人程度の発生にま で減少。しかし、2017 年には 5820 人に増加。過去5 年間で 6.7 倍に増えている。
梅毒検査はSTSとTP抗体を併せて行う。
梅毒血清反応には、カルジオリピン、レシチンのリン脂質を抗原とする脂質抗原検査(STS)がある。その一つのRPR(RapidPlasmaReagin)法は試験管内やカード等の上で抗原と血清を反応させて、凝集をで判定する。梅毒感染後2~5週でSTSが陽性となる。他の炎症性疾患や自己免疫性疾患などでも陽性を示す生物学的偽陽性(BFP)が5~20%ある。
一方、梅毒トレポネーマ(TP)由来の抗原を用いるTP抗体、TPHA法やFTA-ABSは特異性が高く、偽陽性率は0.1~0.5%といわれている。
感染後3か月以降(STSの2週間後)TPHAが陽性となる。治癒後も長く陽性が続く。
梅毒の診断ではSTSであるRPR法定性とTP抗体を併せて行い、陽性の場合は定量検査を行う。治療後の効果判定にはRPR法定量を定期的に追跡して8倍以下に低下することを確認する。
治療は、ペニシリン内服が有効。第 1 期梅毒では 2~4週間、第 2 期梅毒では 4~8 週間、1 日 3 回の服用が必要 。