慢性頭痛(薬物乱用頭痛)

  • 症状

    慢性頭痛という表現は、国際頭痛学会の大分類13項目には含まれていません。頭痛発作繰り返され慢性的に続く状態の事です。大きく分けて以下の4つが当てはまります。

    ①慢性片頭痛
    月に15日以上片頭痛がある状態が3カ月以上持続する。

    ②慢性緊張型頭痛
    1ヵ月に15日以上(年間180日以上)の頻度生じる。

    ③慢性群発頭痛
    1年以上頭痛発作を繰り返し、完解期間が年に1ヶ月未満。

    ④薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛、MOH)
    1ヵ月に15日以上あり、3ヵ月を超えてトリプタンなら1ヵ月に10日以上、鎮痛剤なら1ヵ月に15日以上乱用薬物を乱用している。

  • 慢性頭痛が起こる危険因子

    ①遺伝
    母親が慢性頭痛、胎児期における母親の飲酒や喫煙習慣。

    ②以下の疾患が共存する
    いびきや睡眠時無呼吸症候群
    顎関節症
    精神疾患(うつ病、不安神経症等)
    肥満

    ③外的要因
    カフェインの過多摂取
    頭部外傷
    鎮痛剤の過多使用

  • 治療

    1.原因薬剤(鎮痛剤やトリプタン製剤)の中止
    2.新たなトリプタンの使用
    3.予防薬の投与

    1) 抗てんかん薬
    2) 三環系抗うつ薬
    3) β遮断薬
    4) Ca拮抗薬
    5) 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
    6) 抗セロトニン薬
    7) アンギオテンシン変換酵素( ACE )阻害薬、アンギオテンシンⅡ受容体遮断薬( ARB )
    8) ロイコトリエン受容体阻害薬