マイコプラズマ肺炎の症状や検査方
歩く肺炎と呼ばれるマイコプラズマ肺炎とは
マイコプラズマ肺炎とは、マイコプラズマ・ニューモニエと呼ばれる細菌が原因の呼吸器感染症です。J Gen Fam Med
. 2017 Apr 17;18(3):118–125. doi: 10.1002/jgf2.15
マイコプラズマ肺炎の感染確率は、5.2~27.4%とされ、特に家族間では感染率が高いと予測できます。
マイコプラズマ・ニューモニエ(Mp)は,長さ1-2μm,幅0・1-0・2μmであり,典型的な桿菌の長さ1-4μm,幅0・5-1・0μmと比較すると,Mpの菌体体積は典型的な桿菌の5%以下とかなり小さいです。
Mpには細胞壁がないため,細胞壁を標的とすることで作用するβ-ラクタム系などの抗菌薬に対して耐性を示すことから,多様な臨床症状および臨床像を引き起こします。
症状:
発熱(ない場合もある)・倦怠感・頭痛・のどの痛みなどからはじまる。
3~5日後に頑固な乾性咳がはじまり、長いと3-4週間続く。
検査法
- 血液検査:
- 白血球数軽度増加
- CRP上昇
- 画像診断:胸部X線やCTスキャンですりガラス状印影
診断確定用検査
国立感染症検査部の肺炎マイコプラズマ (Mycoplasma pneumoniae) 検査マニュアルから参照
①抗体検査
PA法は主にIgM、CF法はIgGを測定するため、急性期を捉えやすいPA法の方がよく検査されています。
抗体価の上昇まで3~4日を要します。
PA法で単一血清では320倍以上、ペア血清では4倍以上の抗体価の上昇を認めたらマイコプラズマ感染症と診断できます。単独検査の結果は2-3日かかります。
エルナス® マイコプラズマ IgMは、簡易EIA法キットもあります。(現在在庫がありません)
CF方は、7~10日目より上昇し、3~4週でピークに達し、以後徐々に低下します。
②抗原検査
リボテスト マイコプラズマ やクイックチェイサーなどは15文書と迅速に結果がわかりますが、感度は低いです。(現在在庫がありません)
遺伝子検出検査法(PCR.LAMP)
PCRは、発症2日目頃からDNAを検出できるため、非常に迅速かつ正確性も高い検査法だが、検体を提出し、結果が出るまでに3~4日待たねばならない。
LAMP法は、発症初期(2~16日目)に検出可能と報告されています。
③培養検査
確実な検査法ですが、結果判明まで1~2週間以上かかります。
参考文献