花粉症(アレルギー性鼻炎)の症状、検査、治療

アレルギー性鼻炎には、ダニやホコリなどが原因となる「通年性アレルギー性鼻炎」と、スギやヒノキの花粉などが原因となる「季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)I 型アレルギー疾患 があります。

スギやヒノキなどの花粉で症状がでるのを花粉症と言います。

 

発生機序:

1.   空気中に浮遊している花粉やハウスダスト等のアレルゲン(抗原)が鼻粘膜に付着します。

2.     そこで免疫細胞のマクロファージが抗原を貪食(食べ)、リンパ球T細胞に抗原提示します。その後情報はB伝えられIgE抗体が作られ、肥満細胞の表面に付着し安定した状態で存在する。

3.     再び抗原が侵入すると、肥満細胞上のIgE抗体に結合し、ヒスタミンなどのアレルギー誘発物質が放出されます。

4.     放出されたヒスタミンなどの化学伝達物質が鼻の神経や血管に作用して、鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの症状を引き起こします。

5.     またヒスタミンは三叉神経を刺激し中枢へ刺激を伝えます。伝えられた刺激はくしゃみ中枢を介してくしゃみを誘発し、副交感神経から鼻腺に伝わり鼻漏過多をおこします。

6.     また肥満細胞からはロイコトリエンが放出され、直接鼻粘膜血管に作用して血管拡張を引き起こし、鼻閉の原因となります。

症状:くしゃみ、鼻水、鼻づまりです。また、鼻や目、のどのかゆみ、涙目が1~2週間以上継続します。

 

検査:

鼻汁好酸球検査 140点(3割負担で420円)

アレルギー性鼻炎の際は約90%が鼻汁好酸球陽性となります。1週間で結果がわかります。
②血中特異的IgE抗体検査

抗原を特定する検査で、採血し、抗原に対する抗体の有無を調べます。

 薬価:

1抗原あたり33点(3割負担100円)

View39 は1865点(3割で5600円)


治療法:

①ヒスタミンをブロックする抗ヒスタミン薬は主にくしゃみや鼻水に効果があります。

なお、ヒスタミンには脳内では覚醒、記憶、学習、自発運動などの働きもあります。抗ヒスタミン薬でヒスタミン作用が阻害されると、眠気、判断力が低下や学習能力が低下する副作用が起こります。

 

効果があり程、副作用が強くなるため、運転なども考慮し投与します。

尚、ビラノア(薬価1590円、3割負担479円)やデザレックス(薬価1278円、3割負担383円)は眠気が出にくいです。

 

②シングレア(薬価2,124円、3割負担637円)や後発品モンテルカスト(薬価1,206円、3割負担362円)どのロイコトリエン受容体拮抗薬は鼻づまりに効果があると言われています。

③ステロイド点鼻薬は、直接鼻粘膜に噴霧し粘膜の炎症を抑えます。鼻水と鼻図まりに有効ですが、効きだすのに1週間はかかります。1年間に3ヶ月以内の使用にとどめてください。

アラミスト58噴霧(薬価1086円3割負担326円)1回2噴霧

④鼻閉には血管収縮剤のトラマゾリン点鼻薬 30ml(薬価165円、50円)1回2-3滴.1日数回 3分で効きだし7時間持続します。

⑤ パタノール点眼薬5ml  (薬価482円3割負担145円)後発品のオロパタジン点眼薬(薬価198円3割負担59円)

⑥ノイロトロピン注射(薬価359円、薬価

108円)週2-3回

副作用も依存性も少ないといわれています

⑦漢方薬(小青竜湯や葛根湯加川芎辛夷)など
⑧舌下免疫療法  血中特異的IgE抗体検査でスギやダニが陽性の場合) 月2,000円位