子宮頸がんとHPVワクチン、正しい知識で予防と早期発見を
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子宮頸がんとHPVワクチン、正しい知識で予防と早期発見を

子宮頸がんは、子宮の入り口にあたる子宮頸部にできるがんであり、本邦で年間約10,000人が発症し、約2.800-3,000人が亡くなっています。その原因であるHPVウイルスは、性交渉経験のある女性の80%が生涯で一度は感染する身近なウイルスです。リスクは低くはなりますが、性交渉のない女性での罹患もあると報告されています。

しかし、HPV感染=子宮頸がんではありません。この記事では、子宮頸がんとHPVの関係性、予防方法、早期発見の重要性について、具体的な統計データや専門家の視点に基づき詳しく解説します。 80%もの女性が感染する身近なウイルスと、そのウイルスの中で何が子宮頸がんを引き起こすのか、そしてそれを防ぐにはどうすればいいのか。不安を解消し、未来の健康を守るための知識を、ぜひこの機会に手に入れてください。 あなたは、将来の子宮頸がんリスクを正しく理解し、適切な対策を講じていますか? この疑問に答えるため、HPV検査の種類、精度の高さ、そして早期発見に繋がる初期症状や定期検診の重要性について、分かりやすく解説します。 HPVワクチン接種、定期検診、そして健康的な生活習慣。これら三つの柱をバランス良く実践することで、子宮頸がんリスクを大幅に軽減できるのです。 今すぐ、あなた自身の健康を守る一歩を踏み出しましょう。

適切な予防と検診で早期発見を

HPVウイルスと子宮頸がん

子宮頸がんとHPVの関係性を知るための基礎知識

子宮頸がんは、子宮の入り口部分である子宮頸部にできるがんです。子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)というウイルスの感染が主な原因であることが知られています。このウイルスはありふれたもので、性交渉の経験がある女性の80%が一生のうちで一度は感染すると言われています。例えるなら、風邪ウイルスのように身近なウイルスです。風邪をひいた人がみんな肺炎になるわけではないように、HPVに感染したからといって、必ずしも子宮頸がんになるわけではありません。

HPVの種類と子宮頸がんリスク

HPVには100種類以上もの型が存在し、それぞれ組織特異性と感染特性が異なります。HPVは大きく分けて、ハイリスク型とローリスク型に分類されます。ハイリスク型HPVは、子宮頸がんをはじめ、外陰がん、膣がん、肛門がん、陰茎がん、中咽頭がん、喉頭がんなどの発症に関連しています。一方、ローリスク型HPVは、尖圭コンジローマなどの良性腫瘍の原因となりますが、がん化のリスクは低いと考えられています。子宮頸がんの原因となるハイリスク型HPVの代表的なものは、16型と18型です。これらは子宮頸がん全体の約70%の原因となっています。

(子宮頸がんを発症すると言われている関連のHPVは13種類(16、18、31、33、35、39、45、51、52、56、58、59、68))

HPV感染は、足の裏の病変や手の病変にも関与しています。

子宮頸がんの発症メカニズム

HPVに感染しても、多くの場合は免疫の働きによって自然に排除されます。しかし、ハイリスク型HPVに持続感染すると、子宮頸部の細胞に変化が起こり、数年から数十年かけて子宮頸がんへと進行していく可能性があります。この過程は、種から芽が出てゆっくりと成長していく様子に似ています。

子宮頸がんの発症メカニズムを段階的に説明すると、以下のようになります。

  1. HPV感染:性交渉などによってHPVが子宮頸部の細胞に感染します。
  2. 持続感染:HPVが免疫によって排除されずに、長期間感染が続きます。
  3. 前がん病変:持続感染によって細胞に異常が生じ、前がん病変と呼ばれる状態になります。これは、軽度異形成、中等度異形成、高度異形成に分類されます。
  4. 子宮頸がん:前がん病変がさらに進行し、子宮頸がんへと発達します。

子宮頸がんは、初期段階では自覚症状がないことがほとんどです。そのため、定期的な検診による早期発見が非常に重要です。

子宮頸がんと関連する他の疾患

前述の通り、HPVは子宮頸がん以外にも、様々な疾患に関与しています。外陰がん、膣がん、肛門がん、陰茎がんといった性器のがんだけでなく、中咽頭がんや喉頭がんといった頭頸部のがんにもHPV感染が関与している場合があります。

子宮頸がんの検査方法

子宮頸がんの予防や早期発見には、HPV感染の有無を調べる検査が欠かせません。HPV感染は非常に身近なもので、性交渉の経験がある女性の多くが一生のうちで一度は感染すると言われています。例えるなら、風邪ウイルスのように身近なウイルスです。風邪をひいた人がみんな肺炎になるわけではないように、HPVに感染したからといって、必ずしも子宮頸がんになるわけではありません。多くの場合、私たちの体の免疫システムがウイルスを排除してくれます。しかし、中には感染が持続し、子宮頸がんへと進行するケースもあるため、定期的な子宮頸がんの検診によりリスクを評価し、適切な対策を講じるために非常に重要です。

子宮頸がん検査の手順

子宮頸がんの検査には主に「細胞診検査」と「HPV検査」の2種類があります。それぞれの特徴と重要性について詳しく解説します。

子宮頸部細胞診

子宮頸部(子宮の入り口)を医師が専用のブラシや綿棒で擦り細胞を採取します。検査結果は約2週間程度でわかります。検査結果はベセスダシステム(子宮頸部擦過細胞診報告様式)により報告されます。

異常なしの場合は、2年後の定期検査が推奨され、異常ありの場合は、精密検査が推奨されます。

異常ありの場合、結果がASC-US(Atypical Squamous Cells of Undetermined Siginificance)であればHPV検査を実施し、陽性の場合はコルポスコピー・生検を行います。

陰性の場合は1年後の細胞診の再検査を行います。

※ピル服用者は黄体期(排卵日以降)のほうがHPVの検出率が高くなります。 

HPV検査

細胞が、子宮頸がんの原因であるウイルスに感染しているかどうかを検査します。

結果は、陰性または陽性のいずれかで判定がされます。検査が陰性の場合は

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