睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは 以下の症状の方はSASの可能性があります。当院にご相談下さい。 ・睡眠中に何回も呼吸が止まる ・日中の眠気 ・起床時の頭痛 *なお、イビキの検査や治療は行なっておりません。
【睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは】 眠っているときに無呼吸状態になる病気で、SAS (Sleep Apnea Syndrome)とも呼ばれています。 一晩(7時間)の睡眠中に10秒以上の無呼吸や低呼吸が30回以上起こったり、睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が5回以上起こる。 【疫学】
有病率は人口の約2%(男性の3~4%、女性の1~2%、日本全国では約200万人)、95~100kgの肥満の人に多く見られますが、本邦では30%は非肥満者です。 一般的には男性の発生率が高いですが、閉経後は性差が縮まります。 ところが近年では、女性の「小あご化」「細あご化」が進んで若い女性で患者さんが増えています。 「舌(中身)」に対して「顎(容れ物)」が小さくて空気の通り道が塞がりやすくなるのです。
運転中の眠気の経験は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の方は40%と一般人の10%の4倍も多いと言われてます。
無呼吸ラボによると
50%に高血圧を伴います。
睡眠時無呼吸症候群の合併症(通常との比較)
- 糖尿病 1.5倍
- 高血圧 2倍
- 虚血性心疾患 3倍
- 脳血管障害 4倍
- 交通事故 7倍
- 8年後の生存率 63倍
- 不整脈
- 認知症
- 肥満を約半分に合併
- 突然死
- 不妊症
- むずむず脚症候群
SASの15ー50%に頭痛があるという報告があります。睡眠中の無呼吸によって血液二酸化炭素が増えた脳血流量が増加し頭蓋内圧が上昇することが原因とされています。頭痛自体は4時間以内で改善します。CPAPで23%改善するという報告があります。
※SASが原因と明確に認定された事故は、 米スリーマイル島原発事故(1979年) 米スペースシャトル「チャレンジャー」爆発事故(1986年) ソ連チェルノブイリ原発事故(1986年) JR山陽新幹線「ひかり126号」で居眠り運転(2003年)などがあります。
【睡眠中の症状】
☆無呼吸(家族やパートナーからの指摘) ☆寝相が悪い(寝返りが多い) ☆ 中途覚醒や熟睡障害☆夜間頻尿(2型糖尿病になりやすくなる) ☆こむら返り
【日中の症状】 ☆日中の強い眠気 ☆ 起床時の頭痛(呼吸が止まると、血液中の二酸化炭素濃度が高くなり脳の血流量が増えて、頭蓋骨の中の圧力が高まることで頭痛が起こります) ☆口渇☆集中力の低下 ☆ 胸やけや喉の痛み(努力呼吸で腹圧が高まり逆流性食道炎を起こします) ☆性欲低下や勃起不全(ED)(女性の場合は月経不順) ☆抑うつ
【初診】 本人は自覚がない場合もあります、ご家族など同席される場合もあります。 エプワース眠気尺度を使って8項目について質問に答えていただきます。 8項目についてそれぞれ 0:眠ってしまうことはない 1:時に眠ってしまう(軽度) 2:しばしば眠ってしまう(中等度) 3:ほとんど眠ってしまう(高度) という4段階の評価です。 8項目で15点以上は異常、11点以上あればやや異常ということで、睡眠時無呼吸症候群が疑われます。 【検査(自宅)】
SASであるかどうかを診断する為に携帯型睡眠ポリグラフ法を行います。
●検査項目は以下のとおりです。 コンピューターで、約1週間で、睡眠時無呼吸症候群であるかないかが判定できます。 ①呼吸の状態:呼吸回数・無呼時間など ②血液中の酸素の状態:動脈血酸素飽和度
※予約制です。睡眠は6時間以上とれる日に検査をして下さい。
※保険を使う場合3割負担で3000円程度
【診断】 一晩(6-7時間)の睡眠中に30回以上の無呼吸(10秒以上の呼吸気流の停止)及び低呼吸(換気の50%以上の低下した状態が10秒以上継続)があり、そのいくつかはnon-REM期にも出現するもの。 すなわち、無呼吸・低呼吸指数(AHI)≧5:血液中の酸素飽和度が4%以上低下しやすい。) ・軽 症 5(10)≦AHI<15:日常生活に支障があまり出ない、たまに眠くなったり頭がぼーっとする程度。 ・中等症 15≦AHI<30: しばしば眠くなり、日常生活に影響が出る。中年以降は悪化や合併症の心配がある。 ・重 症 30≦AHI :日常生活に不便を感じる。身体や他人からの評価で損失が発生する率が上がる。 事故や合併症での死亡率が上昇する。
【治療】 ① 睡眠時無呼吸症候群と診断された場合:AHIで40以上 ・一般的に持続陽圧呼吸療法(CPAP療法)が行われます。当院で貸し出します。 1時間あたり無呼吸低呼吸指数(AHI)が40回以上の場合は保険が適応(3割負担で6000円/月程度)されます。
※CPAPとは鼻マスクを装着して気道内に陽圧(4~20cmH2O程度)をかけ、気道の狭窄及び、閉塞を防ぎ無呼吸を減少させる装置です。 この装置を用いることによって、無呼吸をほとんどなくし、睡眠の質を改善することができます。
加湿器機能が付いたCPAP(上記、最新型TEIJIN スリープメイトAuto)や出張先でも手軽な機種(キャリーバッグ付)も扱っています。
② AHIで20~39 専門病院で一泊2日の検査(終夜睡眠ポリグラフ法)→CPAP導入のこともあります。
③ AHIで5~19 歯科でのマウスピース(歯科器具)が有効です。 なお、 ・生活習慣の見直し ・減量(気道周辺の脂肪の重さによる狭窄を改善)や飲酒の制限、禁煙 ・横向きに寝る(仰向けに寝ることは、舌根沈下を招くために無呼吸を悪化させる) が有効です。
改善が期待できる食品:ごぼうはよく噛んで食べるため、口腔周囲や舌の筋肉を鍛えて、舌が喉へ落ち込みにくくし、含まれるクロロゲン酸が体脂肪を減らす働きがあります。