TRIGEMINAL-NEUEALGIA
三叉神経痛
三叉神経痛とは?
三叉神経痛とは、顔面の感覚を操っている三叉神経という神経に沿って発生する神経障害による痛みです。顔面の片側に激しい痛みが突発的に生じるのが特徴です。この痛みは電撃のような鋭い痛みとして感じられ、数秒から数分続く発作的な痛みで、その痛みは耐え難いものとなることがあります。
頻度に関しては諸説ありますが、10万人につき5~10人程度と考えられています。
三叉神経痛の痛みの特徴は?
三叉神経という神経は主に顔面の3つの領域に神経の枝を出しています。
大まかに言うと、
- おでこから目まで
- 目の下から口の上まで
- 口の下の顔面
といった領域です。三叉神経痛では主にこの3つの枝内の1~2本の神経の枝に痛みが生じます。食事、会話、洗顔、歯磨き、風に当たるなどの軽微な刺激によって誘発されることが特徴的です。
原因は何???
原因は多岐に渡りますが、最も一般的な原因としては、三叉神経根が血管によって圧迫されることです。脳の中の脳幹という部位から神経の線維が出ていますが、その出口のすぐのところで血管によって圧迫されてしまうことが原因で血管が拍動します。その拍動により神経が刺激されることで痛みを生じます。典型的三叉神経痛と呼ばれ、全体の約9割を占めます。
そのほかの原因には、脳の中の腫瘍により圧迫や、血管の奇形による解剖学的な原因で生じる三叉神経痛もあります。
中には原因が明確に特定できない特発性三叉神経痛もあります。
治療にはどんな薬を使う?
症状の程度により経過観察する場合もありますが、三叉神経痛の痛みは生活に支障をきたすほどの痛みであることが多く、薬物療法やブロック注射・放射線治療・外科的手術などで治療を行います。
薬物療法では、カルバマゼピン(商品名:テグレトール)という薬を用います。抗てんかん薬の一種ですが、神経の過剰な興奮を抑え、神経痛を和らげることが知られており、三叉神経痛に保険適応があります。
カルバマゼピンは有効性の高い薬ですが、副作用の薬疹には注意が必要で、出現した場合はすぐに内服を中止し主治医に相談、皮膚科の受診が必要となります。カルバマゼピン以外に使用する薬剤としては、フェニトイン、バルプロ酸といった薬剤を使用します。
そのほかの治療法としてペインクリニックでのブロック注射や、高次病院での放射線治療・外科的治療になります。