子宮頸がんワクチンキャッチアップ接種の延長
キャッチアップ期間延長のお知らせ
子宮頸がんワクチン接種
子宮頸がんワクチンとは?
子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)と呼ばれるウイルスの一部タイプへの感染を予防し、子宮頸がんをはじめとする病変の発症リスクを大幅に低減することを目的としたワクチンです。HPVには数百種類以上の型が存在しますが、そのうちがんとの関連が深い「ハイリスク型」の型を対象にしているのが子宮頸がんワクチンの特徴です。
キャッチアップ接種とは?
子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するために接種するHPVワクチンには、定期接種の対象期間を過ぎてしまっていた方を救済する「キャッチアップ接種」という公費制度があります。過去にHPVワクチンが積極的勧奨されていなかった期間に接種機会を逃した方が、改めて公費(無料)で接種できる仕組みです。
2022年4月1日から2025年3月31日までの間に、少なくとも1回以上HPVワクチンを接種している場合は、2026年3月31日まで公費(無料)で合計3回の接種が可能です。なお、2022年3月31日以前の接種は除外となる点にご注意ください。また、キャッチアップ接種に間に合わないと、1回あたり約3万円ほどの自己負担が生じる場合があります。
キャッチアップ接種 無料期間延長のお知らせ
昨年夏以降の需要増加に伴いワクチンが限定出荷となっている状況を踏まえ、以下の経過措置が実施されることになりました。
■ 無料期間の概要
- 2022(令和4)年4月1日から2025(令和7)年3月31日までの間に1回以上HPVワクチンを接種している場合
- 2026(令和8)年3月31日まで公費(無料)で合計3回接種が可能 ■ 重要な注意点 ・2022年3月31日以前の接種は対象外となります。
公費接種の対象者について
◇ 福岡県内に住民票がある女性 ・小学校6年生〜高校1年生相当の女子:HPVワクチンの定期接種対象(無料)
・キャッチアップ対象:1997年度(平成9年4月2日以降)〜2007年度生まれの女性
- 令和6年度が定期接種の最終年度である方(平成 20 年度生まれの女子)
キャッチアップ接種期間を過ぎると 1回約3万円ほどの自己負担がかかります。
HPVワクチンの接種効果
子宮頸がんはHPV感染が主な原因とされており、HPVワクチン接種によっておよそ90%の子宮頸がん発症リスクを抑えられます。感染予防に加え、定期的な子宮頸がん検診を受けることで、早期発見・早期治療につなげることが重要です。
子宮頸がんの現状
- 子宮頸がんは25歳〜40歳の女性におけるがん死亡原因の第2位となっています。
- 日本のHPVワクチン接種率は約20%と低く、欧米の80〜90%に比べて低調です。
- 若い世代にもリスクがあるため、定期検診とワクチン接種の両方が推奨されています。
HPVワクチンの種類と接種費用(自費の場合)
HPVワクチンには複数の種類があり、それぞれ予防できるウイルス型や接種回数、費用が異なります。公費対象外期間に接種した場合、以下のように自己負担が大きくなる場合があるので、キャッチアップ制度や定期接種を活用することが望ましいとされています。 1. 2価ワクチン(サーバリックス®)
- 自費だと3回で約5万円 2. 4価ワクチン(ガーダシル®)
- 自費だと3回で約5万円 3. 9価ワクチン(シルガード®9)
- 自費だと3回で約9万円 ・子宮頸がんの原因となるHPV16/18/31/33/45/52/58型を含む7種のハイリスク型予防が可能。
接種回数と間隔
年齢やワクチンの種類によって、接種回数や間隔は異なります。15歳になる前に初回接種を行った場合は2回、15歳以上で初回接種を始める場合は3回接種が基本です。自己判断でスケジュールを中断・変更してしまうと十分な免疫が得られない可能性があるため、医療機関でしっかりと相談しながら進めてください。
■ 9価ワクチン(シルガード®9)の例
- 15歳未満でスタート:2回接種(初回接種から6ヶ月以上の間隔を空けて2回目)
- 15歳以上でスタート:3回接種(初回接種後2ヶ月以上で2回目、初回接種後6ヶ月以上で3回目)
■ 4価ワクチン(ガーダシル®)
- 通常3回接種(初回接種後2ヶ月で2回目、初回接種後6ヶ月で3回目)
まとめ:公費接種を活用し、定期的な検診も受けましょう
- 子宮頸がんは若い女性にとっても決して他人事ではありません。
- 2025年3月末までに最低1回の接種を受けることで、2026年3月末まで公費(無料)で合計3回のキャッチアップ接種が可能となり、大きな費用負担を避けることができます。
- HPVワクチンは、予防効果が高い一方で、すべてのHPV型をカバーしているわけではありません。ワクチン接種に加えて、定期的な子宮頸がん検診もあわせて受けることで、早期発見につなげましょう。