疫学
1000人に1人(0.056%~0.4%程度)と報告されています。20~40歳代の男性に発症することが多く、男性における有病率は女性の3~7倍(85%は男性)です。最近は女性も増えてきています。
症状
一側性に眼窩から眼窩上部、側頭部に目をえぐられるような激しい痛みが15分~3時間以内続く、1-2ヶ月以内毎日のように同じような時間帯に起こる(入眠後3時間以内)。隔日から1日8回まで発作が起こることがある。発作は目の充血、流涙、縮瞳、眼瞼下垂、鼻汁や鼻閉、顔面の発汗などの自律神経症状を伴い、痛みで落ち着かず(頭をかきむしったり、ぶつけたりじっとしていられず動き回る)興奮した様を呈する。発作期間中にアルコール飲酒で必ず誘発されます。
原因とメカニズム
眼球の後ろを走る内頚動脈が拡張し炎症が起こるのではないかと考えられています。原因はわかっていません。
誘発
アルコールやニトログリセリン。
患者さんの約10~15%は寛解期のない慢性群発頭痛とされています。
分類
■反復性群発頭痛
群発頭痛発作が7日~1年間続く群発期があり、群発期と群発期の間には少なくとも1ヶ月の寛解期(頭痛のない時期)があります。
■慢性群発頭痛
群発頭痛発作が1年間を超えて発現し、寛解期がないか、または寛解期があっても1ヶ月未満です。
治療
急性期にはスマトリプタンの皮下注射が有効ですが、鎮痛剤はあまり効きません。頭痛発作の期間を短くするためにベラパミル、プレドニンやバルプロ酸を併用します。
A.急性期(発作時)
①鎮痛剤はインドメタシン、他のNSAIDs無効
②トリプタン製剤
スマトリプタン皮下注射が推奨されています。自己注射をいます
B.予防
①発作型群発頭痛にはベラパミル240 mg3×、発作が起こらなくなり緩解期になった可能性があれば、ベラパミルを1日120 mg に減量して1週間経過をみて、発作の再発がなければ中止します。
②プレドニン (3日毎漸減12日間)ベラパミル無効時併用
40 mg/日、2×3日間→30mg→20㎎→10mg(SE:便秘、徐脈や低血圧)
③バルプロ酸 併用
どうしてもコントロールができない場合には、バルプロ酸服用を考慮します。服用量は1日400~600mgにします。