三叉神経痛
■疫学
女性では5.0~20.2/10万人。男女比は1:2といわれ女性に多く、発症年齢は50歳代以降が多い。
■症状
突然片側の顔面に激しく短いい数秒から2分)痛みが生じる、1日から2か月(平均2週間)で消失します。
■誘発因子
歯磨きや洗顔、ひげそり、喫煙、食事、会話、風が当たる、特定の場所(顔、唇、下などのトリガーポイント)を触れたときなどのわずかな刺激。
■原因
三叉神経が周囲の血管に圧迫されるため
■治療
・カルバマゼピン
初回投与量100mg/dayを1日2回分服または就寝前投与より開始し,2~3日ごとに100mgずつ増量
フェニトイン100mg/day分2または分1就寝前から開始し,数日ごとに100mgずつ増量
バルプロ酸200~400mg/dayを1日2回分割投与から開始する.数日ごとに200mg程度ずつ増量.通常維持量は400~600mg/day
・漢方薬
後頭神経痛
■症状
後頭神経痛の多くは大後頭神経(頚椎2(C2)、頚椎3番(C3)から後頭部の頭皮を走行する知覚神経)の痛みです。急に、首のつけ根から後頭部が「キリキリ」と痛み、頭のてっぺんや耳の上や後ろにかけて痛みが走る事もあります。左右いずれかのこともありますが、後頭部全体が痛くなることもあります。間隔は数秒から数時間、一度痛み出すと数日から数週間継続します。ひどい時には、入浴時シャンプーをする時や頭皮を指やヘアブラシで触っただけで、激痛を感じることもあります。片頭痛と違い脈拍と一致しないのが特徴です。後頭部を支配する神経は大後頭神経以外に以下の2つがあり、いずれも 頸神経叢から出ています。小後頭神経は、側頭部で耳の後ろへ走行しており、耳の横か上に痛みがあれば小後頭神経痛です。大耳介神経は、耳の後の付近を支配しており、耳の後ろが痛む場合も後頭神経痛とみなされます。大後頭神経は外後頭隆起(後ろの骨の出っ張り)の外側2.5cm、(天柱のツボ)小後頭神経はさらにその外側2.5cm(風池のツボ)から出ており、これらの神経の出口を圧迫して痛みが増強すれば診断がつきます。
〈随伴症状〉
肩こりや耳鳴り、急に頭を動かした時にめまいを伴うこともあります。痛みがない時に頭皮にしびれ感や違和感を感じる事があります。吐き気は伴いません。
■誘発因子
首の運動、くしゃみ、せき
ストレスや低気圧(雨)
■原因
黄砂、血管の圧迫、外傷(交通事故の後遺症等)、ヘルペス
頚椎異常(変形、靭帯の不安定性、筋肉の異常硬縮等)、緊張型頭痛、肩こり、枕の高さが合わない、歯の病気(肩甲骨内縁から後頚部の痛み)
前かがみの悪い姿勢(コンピュータ業務、美容師、看護師、エステシャン、料理人)
■治療
鎮痛剤(NSAIDs)
抗てんかん薬:
①カルバマゼピン(テグレトールTM®)やガバペンチン(ガバペンTM®)
②クロナゼパム(リボトリール®、ランドセン®)
③アレビアチン(フエ二トイン)
④筋弛緩薬(テルネリン®、ミオナール®)
⑤漢方薬
葛根湯、葛根加朮附湯、桂枝加朮附湯、七物降下湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、川芎茶調散、治打撲一方
⑥トリガーポイント注射